年齢とともに骨量や筋力が低下すると、日常生活でさえままならなくなります。足腰が痛いからと言って動かないでいると、身体を構成する部位が退化し、さらなる悪連鎖を生む恐れがあります。老後を元気に過ごすためにも、日頃の生活に運動を取り入れる必要があります。
健康的に運動を続けるために
高齢者にとって運動とは、バスケットボールやテニスのようなスポーツばかりではありません。家事をしたり、ゆっくり歩いたり、あるいは外へ出てウィンドウショッピングをしたりすることも立派な運動です。例えば、高齢女性に多い変形性膝関節症は膝のクッション役を果たしている軟骨が徐々に擦り減っていく膝の病気ですが、適度な運動が症状の緩和に有効であると考えられています。ただし、激しい運動は逆に膝を痛めることになり推奨されていません。したがって、この場合、家事やストレッチなどの軽度の運動が適しています。
高齢者には心臓の弱い方、虚弱体質の方もおり、それぞれが抱える事情はさまざまです。運動においては肺や心臓、筋肉に刺激を与えつつも、過負担とならないよう、くれぐれも個人の体力に見合った運動を毎日継続することが重要です。運動の取り入れ方について心配な方は、一度主治医に相談してみるとよいかもしれません。